「電気の時代を見据えて」
1914年、大阪市北区堂島に「合資会社 芦田工業所」を設立した芦田 健は、当初、米国の電気メーターの輸入販売事業を立ち上げ、その後、米国メーカーと技術提携のもと、電力量計の国産化に取り組み、電力量計メーカーの先駆者となりました。1942年には東京電燈の子会社となり本格的に電力機器関連の事業に参入し、電気という社会の重要インフラの整備に欠かせない存在となっていきました。
1914（大正3年）「芦田工業所」を設立
芦田健は1878（明治11）年、兵庫県氷上郡竹田村に生を享けました。
健は寺の住職の勧めで1897（明治30）年神戸・御影にあった兵庫県尋常師範学校に進み、卒業後、御影小学校の教職に就き、ここで教え子の縁で外国航路船長(壱岐敏直)の「日本にも電気の時代が来る」との持論に感銘を受け一念発起。教職を辞して第三高等学校に入学、26歳で卒業後、東京帝国大学で電気工学を学びました。
その後、住友鉱業所、神戸電気鉄道を経て、開業間もない箕面有馬電気軌道(現:阪急電鉄)に入社、電気課長の要職に就きます。
社命による米国視察で電気機器産業の発展ぶりを目の当たりにした芦田は電気機器事業への参入を検討、会社に籍を置いたまま大阪市北区堂島浜通りに店舗を構え、電気計測機器の輸入販売を開始しました。
芦田の事業は電力事業伸長の波に乗り、順調にスタートし、将来性を確信した芦田は独立を決意、退社して、1914（大正3）年3月15日35歳で「合資会社 芦田工業所」を設立しました。
1917（大正6年）
株式会社に改組
1917（大正6年）
株式会社に改組
1917（大正6年）
本社工場を堂島から兼平町(現:大阪市福島区)へ
移転
1919（大正8年）
大仁(現:大阪市北区大淀中)へ本社工場を移転
1924（大正13年）
芦田工業所 創業10周年記念
1925（大正14年）
火災による消失のため、本社工場を再建
電力量計の国産化に着手
1930（昭和5年）
S-2型電力量計
1938（昭和13年）
S-4G型電力量計
1940（昭和15年）
SA-2型電力量計
1940（昭和15年）
千里丘工場 新設
- 面積35,000㎡の土地に本館・工場など12棟を新設
1942（昭和17年）
東京電燈の子会社に
（写真はサンガモ電気バッテル氏来訪時）
1914（大正3年）
1920（大正9年）
1930（昭和5年）
1940（昭和15年）
- ■1914
- 第1次世界大戦勃発
（1918終結） - ■1923
- 電気協会大阪試験所、
電気計器の試験業務開始 - 関東大震災発生
- ■1925
- 大正天皇崩御 昭和と改元
- ■1932
- 5・15事件発生
- ■1936
- 2・26事件発生
- ■1939
- 日本発送電株式会社設立
- ■1941
- 太平洋戦争勃発
「戦後復興を支える」
太平洋戦争が終結した1945年、芦田工業所は東光精機㈱へと社名変更。1951年には関西電力の関係会社となり、戦後の復興の波に乗り、大阪証券取引所に半世紀に亘り上場。また、1951年には関西計器工業が、1954年には園田計器工業が発足。それぞれ大阪・京都地域、阪神地域での修理調整業務を開始しました。こうして電力量計の製造は東光精機、修理・取替工事は関西計器工業と園田計器工業という体制が確立していきました。
1945（昭和20年）
東光精機へ社名変更
1949（昭和24年）
大阪証券取引所に上場
1951年、国による電力再編で
修理業務と試験業務が分離。
関西電力は日本電気協会関西支部の
計器修理事業を直轄管理するため、
関西計器工業設立に動き出す。
1951（昭和26年）
関西計器工業設立
- 計器修理事業開始（京都･大阪）
1952年、関西電力は電気試験所大阪支所（園田）
構内で修理業務を実施する5事業社を統合し、
大阪積算電力計協同組合を設立。
1954年には関西電力は計器修理業務の直轄管理を
目的に、大阪積算電力計協同組合を買収し、
園田計器工業設立へと進む。
1954（昭和29年）
京都支社新設
1954（昭和29年）
園田計器工業設立
- 計器修理事業開始（神戸･姫路）
1950（昭和25年）
- ■1945
- 太平洋戦争終結
- ■1946
- 日本国憲法公布
- ■1951
- 電気事業再編
9電力会社設立 - ■1957
- ソ連、世界初の人工衛星
- ■1959
- 伊勢湾台風被害
「高度経済成長の一翼を担う」
1960年代、日本経済は高度成長時代に。電力需要が増加するなか、1962年に関西変成器工業が発足。エポキシ樹脂モールド製品などを開発。東光精機は配電盤、計装事業へと進出しました。園田計器工業は、継電器の点検・試験から特高計量装置の検定代弁業務、子メーター取替工事などをスタート。関西計器工業も子メーター取替や通信関連工事など業務を拡大。時代は高度成長から安定成長経済へと移行しはじめました。
1961（昭和36年）
電機部発足
（制御機器事業部の前身）
1961（昭和36年）
変電所設備での測定業務の
開始
1960年、関西電力へ計器用変成器、
計器用変圧器を納入する大阪の
メーカー4社が生産性向上、
品質向上、製造原価の引き上げを
目的として企業合同を計画。
関西電力に御願書を提出し、
関西変成器工業設立に向かう。
1962（昭和37年）
関西変成器工業設立
- 変成器生産事業開始
1964（昭和39年）
大崎電気工業と技術提携
1965（昭和40年）
豊中へ移転
1966（昭和41年）
計装部設立
- 大規模火力発電所への計装事業を開始
1967（昭和42年）
通信部門設立
- 通信関連事業を開始
1969（昭和44年）
新社屋竣工
1972（昭和47年）
佐用工場新設
- 機械式メーター製造拠点の移転
1974（昭和49年）
選択制御継電器B10G開発
1975（昭和50年）
新工場第1棟新設
1975（昭和50年）
特高変成器取替工事開始
1976（昭和51年）
増築された京都支社
1977（昭和52年）
計器用変圧変成器製造
1978（昭和53年）
新注型工場の増強に着手
1979（昭和54年）
真空含浸工程自動化
1960（昭和35年）
1970（昭和45年）
- ■1964
- 東京オリンピック開催
- ■1966
- 計量法改正、
電気測定法廃止 - ■1969
- アポロ11号
初の月面着陸 - ■1970
- 日本万国博覧会開催
- ■1972
- 沖縄返還
- 札幌オリンピック開催
- ■1973
- 第1次オイル
ショック - ■1978
- 第2次オイル
ショック
「競争の時代を生きる」
1980年代、関西計器工業はエレクトロニクス関連事業に、東光精機は各種シミュレータや運転支援システムなどの技術開発に注力。園田計器工業も電力量計測定器の開発から修理・取替工事などで好調を極め、関西変成器工業は無停電電源装置などエレクトロニクス事業に参入。やがてバブル経済が崩壊。1995年の阪神・淡路大震災を機に、経済成長の鈍化と電力自由化を見据え電力投資が減少。関西電力はグループ企業再編を進めることとなりました。
1980（昭和55年）
子メーター取替業務の本格化
1980（昭和55年）
低圧総合試験台製造
1981（昭和56年）
ITVシステム定期保守業務開始
1981（昭和56年）
電力量計試験台製造
1985（昭和60年）
人工知能（AI）見本市に出展
1985（昭和60年）
変流器修理の事業化
1986（昭和61年）
無停電電源装置の開発
1987（昭和62年）
若狭営業所開設
1988（昭和63年）
新注型工場竣工
1990（平成2年）
三相試験台の開発
1991（平成3年）
時間帯別計器開発
1992（平成4年）
京都新工場竣工
1992（平成4年）
エポキシ含浸装置の更新
阪神淡路大震災時、4社は全社挙げて電力の早期復旧作業
関西電力泉尾変電所仮復旧
作業に従事
電力設備復旧作業への関西
電力からの感謝状
1995（平成7年）
CDM試験台による修理開始
1995（平成7年）
無停電取替工事の開始
1996（平成8年）
研究開発部を新設
1997（平成9年）
ISO9001認証取得
1999（平成11年）
尼崎技術訓練･資材センター
竣工
1980（昭和55年）
1990（平成2年）
2000（平成12年）
- ■1985
- NTT・日本たばこ産業(株)
発足 - ■1987
- 国鉄分割民営化、
JR6社発足 - ■1989
- 消費税(3%)導入
- ■1991
- 湾岸戦争勃発
- ■1995
- 阪神淡路
大震災発生 - ■1997
- 消費税(5%)引上げ
- ■1998
- 長野オリンピック開催
- ■2002
- サッカーワールドカップ
日韓共催
「新たなる100年に向けて」
2004年10月1日、東光精機、関西計器工業、園田計器工業、関西変成器工業の4社が統合し、エネゲートが誕生します。2007年、スマートメーター時代を見据え、大崎電気工業と関西電力の資本業務提携により、3社連携がスタート。事業所再編、生産設備や情報システムの刷新など経営基盤強化に加え、製品開発の加速や人材育成に努め、2009年にはスマートメーター新工場「ECOCUBE」を竣工、2011年には研究開発機能強化のための「スマートラボ」を新設するなど、千里丘事業所の整備を進めました。
2004
エネゲート発足
2006
ISO14001認証取得（全事業所）
2007
大崎電気工業と関西電力の資本業務
提携により、3社の連携スタート
千里丘事業所の整備
2009
「ECOCUBE」竣工
(スマートメーター製造ライン)
2009
スマートメーター量産開始
2010
EV向け充電・課金システム
「エコＱ電」発売
工事所の集約・大規模化
スマートメーター取替工事体制を整備
2010
平野工事所設置
2011
制御機器事業部 50周年記念
2011
EMS用「スマートエコワット
シリーズ」発売
2011
「スマートラボ」竣工
（研究開発設備)
2012
「南館」竣工 (トランス製造ライン)
2012
北摂工事所設置
（関西電力北摂営業所建屋を賃借）
2013
明石配電工事所・
明石工事所設置
2013
トランス事業部 50周年記念
2014.3.15 創業100年
記念式典開催
ロゴマーク刷新 
2016
電力量計ユニット
生産累計500万台達成
2017
「東館」竣工 (キュービクル製造ライン)
2017
寝屋川工事所設置
2017
兵庫事業所設置
尼崎事業所が本社へ移転
2018
ユニット式計器組込1000万台達成
2004
2010
2014
創業100周年
2015
- ■2007
- 郵政民営化（JP）発足
- ■2008
- 株価の暴落、円高
（リーマンショック） - ■2011
- 東日本大震災発生
- ■2012
- 東京スカイツリー開業
- ■2013
- 富士山が世界文化遺産に登録
- ■2014
- あべのハルカス開業
- 消費税(8%)引上げ
- ■2015
- マイナンバー(個人番号)
通知開始 - ■2016
- 電力小売全面自由化
- 熊本大地震発生
- ■2018
- 大阪府北部地震発生
